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子供を愛している。
それでも母でない人生を想う。

 

それは衝撃的な帯タイトル。

 

“母親になって後悔してる”
という本を見掛けて
まだ怖くて読めていない。

 

引用先はこちら

 

 

だけど読まなくても解る。

 

それはきっと
その本に描かれる人生の数々が
きっと自分と重なることを解っているから —

 

 

起業10年間を綴った自叙伝

 

 

19歳で出産した時、
分娩台の上で医師が何度も通りすがる。

 

 

声も掛けてくれなかった、寂しかったよ。

 

 

本当は沢山の人に祝福されて
赤ちゃんを産みたかった。

 

両親はもちろん
義理の両親も夫も間に合わず
たった一人で懸命にいきんだけど

それでも臍の緒が絡まって
中々娘は出てきてくれなくて…

途方となく訪れる数分おきの痛みと
膣口の違和感に向き合いながらも

 

助産師さんと
何度も頑張った、あの日 —

 

 

 

最後は押し出すように生まれた我が子を見て
映画のような感動や涙なんて無く

ただ、ただ、
長い痛みと重たいお腹から解放されて
膣口を縫われる痛みも何も感じず
ぺったんこになったお腹を見て

ため息が出る —

 

 

「涙って出ないんだ。」って
自分の心に愕然とした。
絶望したみたい。

 

映画みたいにみんなが泣いて
私も泣いて
幸せな瞬間が訪れると思っていたから

涙一滴も出ず、誰もそこには居らず
自分のことばかり考えていた分娩台の私は…

 

 

思い描いていた
“良いお母さん”なんかじゃなくて
凄く、凄く、悲しかったんだよ。

 

 

 

あの日から12年。

 

私はいい大人になり
娘はいいお姉さんになった。

 

 

 

お互いがお互いを支え
毎日家に居て出迎えてくれるような
そんな“良いお母さん”
なんかじゃなかったけれど

私が思い描いていた以上に
孤独だけじゃなかった子育てへのやりがいや

 

子育てをきっかけに
諦めた夢の分だけ
新しく手に入れた生き方も、板に付いてきた。

 

 

 

「沢山の後悔をしてる。
だけど今の私も嫌いじゃない」

 

– 結局は、それが本音。

 

 

 

お母さんになって
本当は後悔したことがある。

 

だけど世の中には
“お母さん”になれない人が居るから

そんな事思ったら悪だと
ずっと心を縛り付けていた。

 

 

子供がいなかったら、と
思って悔やんだ日は幾度となくあるから。

 

 

 

だけどその度に —

“ただの母親で終わってたまるものか”と

20代は歯を食いしばって
何倍も背伸びをして、仕事に投資をした。

 

 

 

出来ることは
何でもしようと思った。
それはまるで
何かを取り返すような毎日だった。

 

その頃から
お母さんになった事を
決してこの先後悔し続けないように

私は、私に
魔法を掛けるようになった。

 

 

 

「ORGANIC MOTHER LIFE」と言うお店を
子供部屋の一室で始めた、あの日から

 

私は”良いお母さん”ではなくて
“私らしいお母さん”になる事を決めた。

 

 

理想に縛られ過ぎて
泣けなかったあの日を後悔してしまうから
もうそんな私は辞めることした。

 

理想なんて捨てて
娘と一対一で向き合い続ければ
必ず、私たちらしい
親子の形が見つかるはず…

 

 

その日から子育ての本を全部捨てた。

 

 

理想の母親なんて
私からしたら「呪縛」でしかなかった。

勝手な理想を押しつけて
自由を奪わないでほしかった。

 

 

 

子供が居たって居なくたって
意識一つで
何者にでもなれる事を証明したい —

 

 

 

 

未来の「私」が後悔しないように。

 

 

この会社はね。

母親になった私が
後悔しながら生きていかないように、と

24歳の私が
未来の私のために作った「居場所」だ。

 

 

ありのままの私を
受け入れてくれる場所を
“組織”という形で作った私は

 

今、初めて
19歳で母親になった事を誇りに思う。

 

 

 

母親になって本当に良かった。

でなければ
”今の生き方”は存在しなかったから。

 

新しい恋愛をしたり
新しい仕事をしたり
いろんなことがあるこの人生で

時に子供の存在は
沢山のことを考えさせられる。

 

 

だけど
その”小さな不自由”があるからこそ

この毎日の1時間を
この毎日の10分間を
この毎日の1分、1秒を…

誰よりも大切に生きることが出来る。

 

その度に、生き直す。

 

「母親になって後悔してる。
だけどそのお陰でこんなにも強くなれた。」

 

今思えばどんな人生もきっと後悔ばかり。

何を選択しても人は無いものねだり。

 

親にならずに後悔する人がいれば
親になって後悔する人がいることも普通なこと。

 

決して異常なことでは無いからこそ
その心に、素直に生きていきたい。 

 

 

 

 

私はその度に
「生き直す」ことに決めた。

 

後悔しそうになるたびに
新しい人生を自ら選択し続けるのだ。

 

 

 

その行動自体に
不自由など何も無い。

 

したいと思ったことに素直に従えばいい。

 

 

過去に出来た事が出来なくなっても
新しく出来ることを増やせばいいし

未来に描いた夢が見えなくなっても
新しい夢を描き直したらいい。

 

 

そうやってどんな人生も納得して
「こんな私も素敵じゃない」と
心を委ね続ける。

 

それが私の”母親“という人生。

 

 

坂田まこと

 

 

 

 

 

 

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