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「本物」は何処にもなかった。
本物のオーガニックコスメを
探し求めて
辿り着いたのは
〈自分で創ること〉でした。
私が化粧品製造業の世界に
興味と関心を持ったのは
これまで海外のハーブオイルや
海外のオーガニックブランドしか
知らなかった私が
初めて日本のオーガニックコスメに
触れる機会が増えたことや
そこに纏わる
様々な物語に感動し
化粧品は私たちに女性にとって
そしてセラピストたちにとって
ただの「道具」ではないことを
痛感したからです。
モノづくりより
物語作りがしてみたい…
そんな思いから始まり
私は化粧品を一から学び直すことに。
全成分表示に始まり
様々な美容効能は一体どうやって
作られているのか…
来る日も来る日も
追求し続けたわけです。
ようやく
化粧品は〈化〉と書くだけあり
やはりこれも
化学の知識の上に成り立つことに気付きます。
いくら植物療法を学んだところで
誰もが日々の中に
植物を取り入れられるわけじゃない。
でも植物化粧品なら
比較的取り入れやすい。
しかしその植物化粧品を作るには
ある程度の化学による知識や
リテラシーが必要だったわけです。
私は迷わず
大阪の天満橋にある
化学の専門学校の説明会に
足を運びました。
そこでは化学の基礎から
化粧品開発のノウハウを
徹底的に学ぶことはできる内容でしたが
今度はその基材の全てが
石油系合成成分のオンパレードであることに
気づいていくわけです。
そうか。
どれだけ化学を学んでも
結局最後は
石油系化粧品になってしまう。
化学の基礎は必要なのは確かだけど
やっぱり私が学びたいことは
植物化粧品のこと。
そしてようやく
それらを学べる場所を見つけ
今月から学び始める私ですが
何よりも思うのは
こうやって
人と地域に優しい化粧品を生み出すために
植物化粧品の開発のための
専門学校みたいなものが
ひとつくらいあってもいいのに、と
すごく感じるようになったのです。
世の中はすっかり
持続可能、持続可能と
合言葉のように囁き始めてるのに
化粧品の世界は
〈教育〉の場があまりにも足りなくて
化粧品を使い方よりも先に
作り方がもっと植物よりに
変化していかないといけないのに。
植物から化粧品を作る技術は
普通に学校では
学べるものばないそうです。
そうなると
今後未来の化粧品たちは
一体どうなんっていくんだろう…
ORGANIC MOTHER HOUSEを
植物調合美容研究所と
名付けた理由
私たちの宮崎LABOの名称が
〈研究所〉である理由さ
実はここにありました。
工場、と名付けてしまうと
人里離れた場所に
ひっそりと佇むイメージもあり
あまりクリーンなイメージが私達にはありません。
ましてや主婦のような
化学の知識も資格を持ち合わせない
そんな私たちが
働ける場所ではない縁遠い気もします。
そして何より
工場の多くは
その全てが閉ざされていることが多く
誰もがオープンに出入りし
学ぶことは出来ないでしょう。
となると
私が目指したいのは〈研究所〉な訳です。
この1000坪の土地は
住宅地のど真ん中にあり
古民家も元を辿れば、人が住んでいた建屋。
そこには子供の落書きも残され
生活の軌跡があります。
そんな人や植物と共存できる場所で
まずは誰でも立ち寄れる
オープンファクトリーを作ろうと思いました。
いずれはラボの裏庭の竹林を開拓し
新しい建屋を建てたら
そこに植物から化粧品を開発するための
新しい化粧品学校を作ります。
つまりここは
ただ化粧品を製造するための
「工事」だけではなく
常に新しい人材を育て
常に新しい発想で物語を作り
誰もが隔たりなくここで働き
集い、学ぶことができる〈みんなの研究所〉に
なっていくわけです。
都内にある化学の学校に通う
学生たちも
時代が変われば
どんどんSDGsを意識した学生に
溢れていくんだと思います。
その中で
私たちはインターン生を受け入れ
学生のうちに
植物から化粧品を開発、製造する現場を
見せていきたいと思っています。
教育と発信で
この業界は、もっと面白くなる。
出来る限り出逢いを大切にしたい。
今も常に
その目標を胸に走り続けているのです。
ここ最近は
地方自治体との企画で
過疎化した地域や観光客を失った産地の
農産物残債や名産物を用いた
化粧品開発のご依頼や
原料探検から化粧品づくりを学べるツアー企画など
様々なご依頼を頂可能になりました。
私はきっと
50歳手前には日本よりも海外にいる時間が
増えていくんだと思ってます。
ここまで夢を語れるなら
叶えないと勿体ない気がして。
私の未来は、わたしだけのもの。
私の心も、わたしだけのもの。
この想いを守り続けたい。
坂田まこと
私の半生が自叙伝になりました。
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