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小さな病との戦い

 

つらい道を、避けないこと。 

自分の目指す場所に辿り着くためには
前に進まなければ。

Don’t sidestep suffering.
You have to go through it to get where you’re going.

 

コロナが長引き
娘も私も少し疲れ気味になり
スタッフも数人が家庭の事情でお休みしたり
逆にお店は忙しくなったり
別れや出会いが重なったりして

「前の生活って、どんなだったっけかな」
ふと思うようになりました。

 

 

 

 

 

 

実は今、私は小さな「病」と戦っています。

 

 

 

顔以外の皮膚に無数の発疹があり
とてもじゃないけど人前に立てる状態ではなく
衣服で隠しながら
自然に引くのを待っています。

 

心が疲れたとか
ストレスが溜まってるとか
そんなか弱い理由な訳でもなく

確かに世の中の変化に疲れたところは
あったかもしれませんし

少し仕事を無理して抱えたところはあります。

 

親として娘を守らなきゃっていう気持ちと
会社をなんとか守らなきゃという気持ちが重なって
どっしりと重くひとり親の私に
伸し掛かかっていたかもしれません。

 

 

正直、今となっては
楽しいと辛いがごちゃ混ぜで
何がベストだったかなんて
正直誰にも分からないのですが

きっと今の私に
「少しの変化」が必要であることを
体が教えてくれているようです。

 

 

 

 

でもね、それでもやっぱり
仕事も、今の在り方も、楽しくって。

 

周りは「休んだら?」というけれど
私の代わりは
この子にもこの会社にも居ないし
責任もあるからね。

 

辛い仕事も、山ほどある。
それを誰かに押し付ける勇気もない。

 

でも、少しでも私の力になりたいと
手を差し伸べてくれる仲間や生徒さんが
たくさんいることも、また事実で

その気持ちを素直に受け入れる勇気も
最近は、大切にしています。

 

 

そんな、毎日を。

この楽しい日々を。

 

どうやったら
ずっとみんなで続けていけるのか

この1ヶ月、考えない日はありませんでした。

 

 

大切な仲間たちと
もう一度、新しい働き方を
築いていかないといきたいからこそ


私が、変わらなきゃいけないこともあって。

逃げずに、ただ、今に向き合いたいのです。

 

 

 

 

 

守るべきものがある方が
幸せなこと

 

例えばね。

どんなに大変でも
何も無いより、何か守るべきものがある方が
幸せなことを私は知っています。

 

だけど

子供がいない人からしたら
子供がいる悩みなんて
きっと贅沢なんだろうし

好きな仕事ができない人にとっては
仕事がある人の方が
それだけですごく幸せ者なんだろうし

きっとそれって
どっちが辛いとか幸せとか
答えなんてないのよね。

 

 

本人たちが自分の置かれた環境を
「一体どう捉えているか」が大切で

そこは周りが決めつけたり
評価するところじゃない。

 

 

子供のために頑張る母親が
寝る間も惜しんで働いているとして

彼女に必要なのは

お金や時間以上に
もしかしたら周りの評価や感謝の気持ちだったり
社会でのやりがいだったり

そういった「形にないもの」な時もある。

 

 

 

周りは「当たり前の価値観」を
押し付け合ったりするけれど

本人の捉え方や、感じ方次第で
良くも悪くも変わっていく。

 

 

私は、人付き合いが上手ではないし
仕事以外はいつも一人が多いけれど
きっとそれは
「自分を見つめなおす時間」を自然に求めているからで

 

当たり前の「生活」

例え、みんなと違っても

本人が幸せなら、それで良いんじゃないかなと
思ってしまう時もある。

 

 

 

 

 

「大変そうだから、かわいそう」

 

本当に、そうでしょうか。

 

 

 

そんな毎日でも、救われる時があるのです。

 

それは誰かからの感謝だったり
誰かの成長や変化だったりそれは
人、それぞれです。

 

私は、自分だけが
大変だなんて思いません。

 

みんな頑張ってますし
みんな大変なことを乗り越えてきています。

 

「なんで自分だけが」と悲観的になったり
「あいつが悪いんだ」と怒りを持ったら
いつしか被害者から加害者に変わっていた・・・
なんて悲しいことも、起こってしまいますよね。

 

だからこそまずは

自分なりの「事の捉え方」を大切にする。

 

そこに、常識や当たり前は持ち込まない。

 

そうやって私は

どんな困難も乗り越えてきました。

 

 

だからこそ、今回もちゃんと
乗り越えられると信じています。

この小さな病を抱えて
この時期を、私なりに乗り越えていきたい。

皮膚は、感情を持っている

 

ここ最近の私は

仕事を無くした方や
店を閉じざる終えなかった方よりも
うんと幸せな時間を過ごしているに違いないと

自分の体の声を
軽んじていたのかもしれません。

 

それは、認めないといけません。

 

 

 

私は生まれつき皮膚が非常に弱く
小さな頃から
姉や母のような白くて丈夫な肌ではなく
乾燥した黒っぽい肌をしていました。

 

とにかくよく被れるし
とにかく痒くなるし
とても綺麗な肌ではなかったと思います。

 

顔もいつも赤ら顔で
今でも無数の血管が頬から透けるほど皮膚は薄く
綺麗な人を見ると

「こういう人が綺麗を謳うから
説得力があるん
だよな」

今でも不意に、羨ましく思うほどです。

 

 

二十歳の時
産後のホルモンバランスの乱れもあり
一時期何も無かった皮膚に異常が現れました。

 

まず、いつも使っていた日焼け止めが使えなくなり
皮が赤く腫れ、剥けるような
そんなアレルギー症状を経験し

日焼け止めが使えないのに
紫外線でも肌に発疹ができる、という
太陽の下を歩けない時期が
一番遊びたい、出掛けたい盛りの20歳で訪れ

6畳ワンルームで
家族3人暮らしながら
被れやすい皮膚と向き合っていた時期を
なんだか懐かしく思い出します。

 

 

その赤い顔や首を隠すために
ファンデーションを厚塗りしないと
仕事に行けない時期もありました。

 

 

基本的には家やオフの日は
ファンデーションを卒業していたのですが
完全に脱却できるまでに
一年掛かっています。

 

 

 

心も肌もボロボロになり

「何のために働いているのか」
社会の中で居場所を失いかけていた時

 

あるセラピーサロンを紹介されて
一人のセラピストさんと出会い

美容に興味のなかった私が
オーガニック美容の世界に触れた時期も
ちょうどあの頃でしたね。

 

 

 

もうあれから、10年近くが経とうとしています。

 

 

 

心も体も、本当に強くなりました。

母親としては、まだまだ未熟ですが
私なりにこの子を一番に想って
共に成長し、変化しています。

 

それでもやっぱり
私の皮膚は、相変わらず素直なようで。

 

 

根底は変わることなく、弱く脆い。

皮膚は、正直なんです。
ちゃんと感情を持っています。

 

昔よりは健康的に強くなったけれど
ふとしたきっかけでこんなにも、被れる。

 

こう思うと

皮膚病は見えるところで起きているのではなく


もっと奥のほう
それこそ血液や心の中に

原因が潜んでいるのかな、って思うほどに
一人では到底立ち向かえない恐怖がありますね。

 

毎日「お肌の相談のライン」は届きますが

みんなとても深刻に、そして真剣に
中には、会って話したことのない私たちを
信頼して頼ってくださる方もいます。

すごく、有り難く感じます。

悩みに答えながら、自分の皮膚と向き合って早10年。
会社も5年を迎え、私も30歳になります。

 

 

こんな時に
体はこんなにも元気で仕事もこんなにも楽しいのに
ちょっとしたことで
この湿疹は全身に現れて私を苦しめます。

 

皮肉なものですね。

 

綺麗を叶える仕事なのに
本人が綺麗になることが、一番難しいなんて。

 

 

セラピストになりたての頃
太ってて綺麗じゃない私が
「綺麗を伝えて良いんだろうか」、と
ずっと不安を抱いていました。

 

でもお客様に触れるほどに
痛いほど気持ちがわかって涙が出そうになる。

 

肌荒れの向こう側にある
いろんな悩みが手に取るように伝わってくる。

 

感受性の良さが良くも悪くも
人の感情が手を伝って感じられる。

 

セラピストとして働く中で

綺麗じゃなくっても良いんだ。

綺麗になる努力を惜しまなければ
同じ肌の弱さを乗り越えたことが
きっとお客様の励みになるんだ。

・・・そんなことを、知ったのです。

 

 

 

肌が綺麗じゃなくても
私はいつだって綺麗になろうと、努力をしています。

そして、綺麗である前に
「健康」でありたくて
食事や生活にとても気を使いますし

自分が苦しい時こそ
食事と睡眠は大切にします。

 

だからきっと、この小さな病も
自然に治ってくれるはず。

 

そうやって信じていくしかないし
不幸な気持ちを抱いて生きていたら
毎日の一瞬一瞬の奇跡みたいな出会いや挑戦を
見逃してしまうかもしれない。

 

 

私が一番 嫌なのは
一つの不幸が、いくつも連鎖することです。

 

その辛いことは、たった一つのことなのに
気持ちが病むことで
他のことにまで広がっていく。

 

仕事で悩んだら
夫婦や友人関係が歪んでいくことも同じ。

 

この時代も、そう。

コロナウイルスが原因で
人と人が傷つけ合うなんて悲しいし
きっと誰も悪くない。

 

だからこそ、もっと向き合い方を変えていくの。

 

一つの不幸を何度も思い返して
自分を傷つけ続けるなんて勿体ないし
そんなの誰も望んでいないよね。

 

私の「皮膚」
過敏で困った事ばかりするけれど

いつだってこの「個性」
私に課題を持たせ、解決の度に学ばせ
乗り越えるキッカケを与えてくれる。

 

「セラピスト」として、成長する理由を与えてくれる。

 

 

荒れやすいからこそ
荒れやすい人の気持ちが、痛いほどにわかるから。

 

「頑張る」だけじゃ
どうにもならないことがあるって事。
皮膚はちゃんと、私に教えてくれました。

全てに不幸に、ちゃんと意味がある、ってこともね。

 

 

さて、この小さな病が
「私に教えてくれる事」は一体なんだろう。

 

乗り越えたら、きっともっと
人生は何倍も豊かになるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

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