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Chapter 1 視察1日目
山梨県笛吹市カルタファームへ
先日ブログにてrelease致しました、
Mother’s Botany
– Whole Peach – Birth Project
「自然栽培の桃を、丸ごと使う」。
この新しいプロジェクトを
今後一緒に取り組んでくださる
山梨県笛吹市『CULTA Farm』さんに
視察をしに3月25日、お伺いさせて頂きました。
最寄駅は石和温泉駅。
駅前には足湯もあり
ゆったりとした良い雰囲気が流れています。
まずは現在スタジオとして
使われている大きな施設へ
連れて行っていただきました。
ここは1997年に北川原温建築都市研究所
北川原温氏の設計により
もともとニット工場として建てられた建物を
2003年にオーナーの根津さん自らのプロデュースで
撮影スタジオとして転用した、自然光スタジオです。
当初はBAILAなど集英社の撮影などで
使われていたそう。
全体のデザインはもちろん
杉板を使った下見張りの外壁とフローリング。
オリジナルのスチール窓枠や階段など
建築家のこだわりが
細かなところにも随所に見られ
撮影の幅を広げて頂ける
クリエイティブな空間です。
そんな空間を目の前に、会話も弾みます。
今後はこの贅沢で素敵な空間を
たくさんのアイディアを提案し工夫をこらして
美容学校や温泉水を利用したスパ
原料工場などとして活用し
地域の皆さまとの交流の場としたり
就労支援を行うことを目標としています。
根津さんは、多くの提案を私へして下さいました。
根津さんから
「ORGANIC MOTHER HOUSE」という名称で
使ってみてはどうか?という
嬉しいご提案もあり・・・
私も勉強のために毎週山梨へ通い
「自然栽培の難しさ」を体感しようと
考えました。
自然栽培の畑の真ん中に
新たな「私たちだけの美容学校」を作る。
それは誰もが羨む
自然の学びに溢れているんではないか、と。
私が「どうしてその名称にしたのですか?」と
尋ねると
【オーガニック 】は
ずっとベースとして根津さんの
生き方にあったとのこと。
そして【マザー】は
「母」「母なる」「根源」
「生み出す者」などの意味から
一番最初にプロモーションを行ったり
ここから発信の場所にしたい。という思いもあり
【ハウス】としたい、と考えたそうです。
弊社の社名
【 オーガニック マザー ライフ 】をという生活を
山梨県のこの【 ハウス 】から発信していく。
【ライフ】いう言葉は以前から
「ライフスタイル提案」など
アパレル業界などでもよく使われていました。
東京でライフスタイルというと
少し非現実的な感覚があるが
ハウスという安定的な場所からライフを伝える。
もちろん
個人個人で来やすい場所でもありたいが
クリエイターやアパレル
都心には真似できない
このロケーションで
プレスをする場所にしたい、と。
「農業」と「食」を通して
人々の”こころ”と”体”を健康にする
『CULTAFarm』さんでは
化学肥料や農薬を一切使用しないで
土地の持っている自然の力と
ミネラルで野菜を生産しています。
安全・安心なお野菜を提供されていて
ただ、従業員の縮小もあり
今は野菜に手が回らない現実もあるそうです。
『CULTAFarm』
先シーズンまでは
数名のスタッフや専門家がいたが
今年から一人で全てを管理されているとのこと。
年間に育てる野菜の種類は
約60種類を育てていたが
それらも全て「たった一人」で行っているのです。
ORGANIC MOTHER LIFEは
独立支援型のスクールを運営しているが
根津さんも農業の独立をサポートする・・・
そんな存在でありたいのだそう。
だからこそ、スタッフの「卒業」を支援してきました。
どれだけ自分が大変でも、です。
根津さんは、その後数ヶ月
広い農地にたった一人とり残された時
「今の私に、一体何ができるのか」を
懸命に、考えたと言います。
そして、彼はこう言いました。
「支援されたいわけではない。
そこまで私は、可哀想ではない」と。
都心に住む人は
すぐに「支援」という言葉を使いたがるが
支援=困っている=「可哀想」ではない、と
根津さんは、そっと本音を漏らします。
「農家は、大変だし、可哀想。」
そう思うから農業離れが起きるんだ、と。
大変だけど、それ以上にやりがいだってある。
一人だけど、それだけ自由にしたいことができる。
「だからこそ、坂田さんも
最初はひとりでやって来たんでしょう?」
・・・そう言われて、気がついたことも。
そうか、私がしたいことは、支援じゃない。
一緒に一つの製品を生み出したい。
「一緒に頑張りたい」
ただそれだけなんだ、と。
「大変」だけど「やりがい」がある
しかし、農作物を一人で育て続けるだけでは
限界があるし
「自然栽培の桃なんて、儲からないし、大変だ」
という風潮から
この地域では、この取り組みを
根津さんしか行っていない現実もある。
私が「大変ですか?」と問うと
「大変さにも、色々とあるが
作業の時間のやりくりが特に大変です」と
答えてくれました。
小さなお子さんがもいらっしゃって
子育てをしながら
この広い農園を守っている。
それが、どれほどに凄いことか・・・
同じ親だからこそ
仕事と子育ての両立は多くの我慢が必要だし
「植物」や「自然」を相手に
多くの苦悩があることを
酷く乾燥し
指先が切れた彼の手を見ると
何も言わずとも
伝わってくるものがありました。
完成された
綺麗な野菜や果物しか知らない私たちには
到底知り得ることない
農家の「本当の想い」を、目の当たりにした日。
私にとっては
オーガニックコスメ作りだけじゃなく
それ以上に
「農家との繋がり」が
これほどに大切なことなんだ、と気づけた
そんな貴重な時間でした。
「世のため人のためになることをしたい」
このスタジオが
もともとニット工場であったことからも
お分かりだろうが
根津さんはアパレル業界で
ずっとお仕事をされてきました。
2010年
これからの自分の人生を考えた時に
「世のため人のためになることをしたい」と
思ったそうです。
それが何かを考えると
心と身体の健康じゃないか、と考えた、と。
そしてまずは、食について調べていくことに。
そうするとそこには
いろんな問題点があったと言います。
例えば、食品添加物や食材である
野菜などの「農薬」。
その解決策は、昔の農村のやり方だったそう。
2010年のその思いをきっかけに
農業をスタートしたのが2012年。
今年で、もう8年目になるといいます。
このあたりは元々
「桃や葡萄」の産地でした。
だけど、それらを育てる為に
今もかなりの量の「農薬」が使われています。
実際に農薬を使わずに育てられているのは
根津さんを含めほんの数名なんだそうです。
一番大変なことは、虫や病気。
それを突き詰めると「土の状態」が大切だと語ります。
人間が腸内環境を整えると
体調が好転することと同じで
土壌を整えると、植物も健康になるのです。
しかし、木をそこまで持っていくまでには
時間がかかってしまう。
実際に有機農法をする為に
農薬を完全に抜くまでには
およそ、7年もの月日がかかるのです。
農薬を使わないということは
農作物が病気にかかってしまい
そのシーズンは売り物にできなかったり
最悪の場合は
そのまま木が枯れてしまう可能性があるからです。
そうするともちろん、農作物は育たないので
収入がなくなってしまう。
木を植えて
また実になり販売できるようになるまでは
20年も、かかってしまう。
それくらい、大変な仕事。
私たち「農業の素人」が手伝ったところで
出来ることは限られています。
だったら、農業に長けている地元の人たちや
高齢者を雇う「資金源」を作っていく・・・
その仕組みが求められていることに気づかされます。
桃と向き合いたい「私」の想い
果物や植物を使った
オーガニックコスメづくりが
とても盛んな時代になってきました。
化粧品を作ってみて
私が感じたことは
化粧品の原点にも
やはり「農業がある」ということ。
今までは、食品だけだと思っていたこと。
今回「Botany」という
有機のコメ油やホホバ油などを使った
シンプルな国産薬草のインフューズドオイルを製作した際
OEM工場の社長に連れられて
多くの地方地域の社会問題を目の当たりにしました。
それは
「化粧品業界」の煌びやかな世界とは
相反しており
もっと深刻な資金難や職業難が存在し
決してフェアではない取引も多く
東京にいる私たちのエゴが
そのまま自然環境や
地方地域の負荷になっていることを
初めて知りました。
私たちの綺麗の下には
環境や人の犠牲があることも。
製品に一度なってしまうと
消費者は化粧品原料を気にすること
その山地や生産者の想いを気にすることは
あまりなくなっていくのではないか、と私は思います。
化粧品の価値はもちろん
「綺麗になる」ことですが
私は、子どもを産んだり
原料農家さんと直接お会いすることなどを
きっかけに
化粧品の価値は完成された後だけではなく
その作業工程やこだわりやノウハウ
「植物に隠されたバックストーリー」こそ
本当は大切なのではないか、と
私の中の化粧品に対する価値観が
確かに変わっていきました。
その「バックスト−リー」を知ることで
効果効能だけではなく
「その化粧品を使い続ける理由になる」のではないか、とも。
化粧品ロスという言葉があるように
多くの女性は
素肌の不調や免疫力の低下を
「化粧品が合わなくなった」と言って
使わなくなってしまう風潮があることを
数年のセラピスト人生の中で
感じてきました。
私も、その内の一人でした。
「綺麗にならないなら、化粧品の意味がない」
とでも思っていたのかもしれません。
ですがある日
日焼け止めの成分で酷い皮膚炎を起こした時
初めて石油化学化粧品の
恐ろしさを知ったと同時に
どれだけ化粧品だけに
依存していたかを気付かされました。
その植物が生まれた産地を訪れ
そこに住まう人たちと食事を交わし
新たな交流が生まれ
新たな営みが生まれるのではないか、と
私は考えるようになります。
現在は「顔の見える化粧品店」をテーマに
展示会やショップの運営
商品開発の際の障害者施設との連携
生産者さんとの直接の関わりも
持っている。
完成される前の「プロセス」を
可視化するということ
例えば【食品の有機認証】。
これは美味しいか、美味しくないかなどではなく
安心して食べることができる
「プロセスの保証」だと考えました。
その認証の代わりに
生産者の思いや苦労、栽培方法を知ること
「顔が見える」ということで
安心していただける材料になるのではないか・・・
今回、自然栽培の桃を見た時に
お母さんと、子ども
「親子で安心して使える化粧品」として
開発したいと考えました。
食品としてではなく
化粧品原料として使えないのだろうか・・・
それには、私の知識や経験は、まだ乏しく
多くの関係者に連絡をし
知識を分けてもらうことになります。
葉っぱや摘蕾される蕾など
捨てられるはずだった残渣を
使うことができれば
サスティナブルで、きっといいのではないか。
それが、私たちの想いでした。
しかし、その残渣を集める「手間」を
今の根津さんに任せるわけにいきません。
「だったら、私が毎週来て
その材料を自分で集めます」と伝えたのです。
その想いを伝えると
それに対し根津さんは、深く頷いてくれました。
オーガニックの意識は
心と身体の健康への想いから
根津さんが
農業に食に入ったきっかけは
健康を考えてのことでした。
その中でオーガニックの意識を
高く持つように。
食材としての農業をスタートしているが
突き詰めると美容や医療などと繋がると感じたそう。
美容というと
贅沢や綺麗を演出するものみたいだと
思われがちですが
「予防美容」という言葉があってもいいのではないかと
私たちは考えています。
例えば、心の健康は
お肌やスタイルやファッション
メイクでも形成されます。
「内側の健康」があって
初めて人は綺麗になれと思うのです。
「心と身体が健康な状態あること。」
オーガニックコスメを扱い
提供する私たちは
植物からの恩恵を大きく受けています。
そこで、肌に身につけるだけでなく
「一貫性のあるルート」ととして
「Botany」シリーズでは
インナーケアのタンチュメールや
ハーブティーも提案していきたい。
今後関連商品として
乾物、離乳食なども
カルタファームさん協力のもと
製作したいと考えています。
その際はいろんな方へ届く様
出来るだけ「低価格」で作りたいという想いもあって。
プロジェクトとして
人手と知恵を借りながら
この夢を叶えられないだろうか。
有機野菜や有機食品が
高くて使えないという意識を払拭し
持続可能な農家さんへの手助けとしたい。
そして、お母さんと子どもの生きる世界が
もっと豊かになってほしいと・・・
実際に見る「自然栽培の桃農園」
視察へ訪れたのは3月25日。
晴れた気持ちのいい日でした。
遠くの方に、うっすら雪の積もった山脈が見渡せ
桃の木には、可愛らしい花や蕾が咲き始めているころ。
今は枝の剪定から
蕾を取る摘蕾という作業に
すでに差し掛かっている時期でした。
少しお手伝いをさせて頂いたが
どれでも摘んでいいわけではなく
それなりの技術と経験が必要なのだそう。
枝にはたくさんの蕾ができるが枝に
最終的に育てる桃は「1つ」だけ。
蕾を落としてしまうと
そこには桃はならないのです。
気温が急に冷え込んで
落ちすぎた場合には
実がダメになってしまうこともある。
簡単に手伝える仕事ではないが
それでも、人手は必要。
ここの地域に住んでいる
お年寄りは経験があるので
お願いをすることがあるのだそうです。
原料になるように
今後進めて行きたいが
それまでの工程として
農家さんの手間を増やしてしまうことや
どうやって収益に繋げていくかも
大きな課題となっていました。
全ては土壌の「多様性」から生まれる
多様性といって
その場所にいろんな草や植物が生えている状態が
一番いいとのこと。
「ナズナ」が生えている畑は
なんでも出来る、と教えて頂きました。
草にも、様々な役割がある。
自然栽培や農薬を使っていない畑には
いろんな植物が生え、いろんな生態系ができると言います。
微生物も、一緒に共存している・・・
自然栽培はこれから木の育て方が、常に課題なのです。
これから花と蕾を使って
今回、摘蕾で採れた花と蕾を分けて頂きました。
それを使って
精油や芳香蒸留水、浸出油にしてみようと思っています。
花を使うか
蕾を使うか
どれくらい必要かもわからない。
今から、長い長い試行錯誤が始まります。
潰れた桃や、売れない桃
蕾、花、摘果ででた実、種。
いくつか工程があるので
その都度どのようにして
化粧品原料にできるかを調べる必要があります。
現地が、負担を被ってはいけない。
利益を落とす仕組みを作る。
私たちには何ができるのか
ここからストーリーとして
どんな価値が生まれるのか。
今回山梨へ足を運び
農家さんの想いを伺えたこと
実際に農園で摘蕾をさせて頂いたこと
土に触れることができたこと
たくさんの学びがありました。
そして
今後の課題、目指すところ、
今できること、やらなければならないこと
問題はたくさんあるということ。
しかし、それよりも
私たちにはこの「プロジェクト」を進める価値の方が
ずっと大きい。
それぞれの役割で何ができるか
さぁ、ここから
どんなストーリーが始まっていくのだろう。
私たちはこれから始まる苦労よりも
未来起こる全ての出来事の方が
ずっと楽しみで仕方がないと、笑いあったのです。
私の半生が自叙伝になりました。
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